新感覚のホラー小説「夏と花火と私の死体」が、このむさ苦しい暑さを和らげる。

新感覚のホラー小説「夏と花火と私の死体」が、このむさ苦しい暑さを和らげる。

今年もちゃんと夏がやってきて
毎日毎日ほんとうに暑いね。

最近また歳を重ねてレベルアップした
夏生まれの持田です。

カフェでブラックコーヒー片手に小説を嗜む
そんな大人っていいでしょ、いいですよね。
とはいえこれまであまり「読書」に触れてこず
少しずつ読みやすいものから慣れていこう、と思い立ち
先日以下の記事で紹介した森の図書室で
直感で選んで読んだ小説が衝撃的で刺激的で
五感を刺激されまくったのでおすすめさせてください。

物語の世界に迷い込む、大人の為の秘密の場所「森の図書室」が最高って話。
最後に「図書室」に足を踏み入れたのはもう何年前のことだろう。小学校の図書室のスライド式のドアは何となく教室のドアよりも重たく入った先の空気は少し澄んでいて不思議…
maison-melancholia.com


こんな小説他に知らない、予測不可能な新感覚ホラー

小説家、乙一(オツイチ)の衝撃のデビュー作
『夏と花火と私の死体』
第六回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞受賞作。

ネタバレにならない程度にあらすじを紹介すると
幼い少女が夏のある日、あっけなく無邪気に殺されてしまう。
この死体をめぐってある兄弟が過ごす怒涛の4日間の出来事が描かれているのだけど
この小説の大きな魅力は「語り手」がいること。
物語をある一点の視点から単調に語られており
それがなんとも斬新でわかりやすく
手に汗握る情景が鮮明に目に浮かぶのだ。

小説初心者の私でも語り手がいることで
物語の背景を想像し考えるという手間が省け
怖さや緊張感をダイレクトに感じられるのが癖になってしまう。

語り手が淡々と物語を進めていくような小説は
他にもたくさんあるかもしれない。
しかしこのスリル満点の非日常的なホラーを
淡々と語られるのが妙に気味が悪く
今までに体験したことがない新ジャンルなのだ。

乙一とは何者なんだ一体

この斬新で生々しい物語が生み出されたのは
今から25年も前、1996年の事。
なんにも前情報を入れずに
思いつきで読み始め吸い込まれて
あっというまに読み終えてしまったそのあとに
これが乙一の16歳のときの作品だと知り
ぞくぞくと気がおかしくなるかと思った。

小さい子供の死をテーマにした作品
というだけでも、16歳の少年がこの物語を?
と衝撃を受けてしまうというのに
登場人物がみな、人間くさい人間なのだ。
心の奥の奥に秘めたいやしい部分や
悪な部分、それと葛藤する気持ち
サイコパスな感覚すべてが
たったの16歳の少年が感じられる限界を
はるかに超えている
そんなふうに思ってしまう。

乙一、この男は間違いなく
人生2周目の天才といえる。

とりあえず一気に読み終えてほしい

多くは語れないが
この作品は短めで読みやすい。
だからとにかく「今日はここまでで明日続き読も」
みたいな読み方は絶対におすすめしない。

キンキンに冷えたアイスコーヒーを舐めながら
一気に読み終えてほしい。
最後の一文字まで、取りこぼすことなく
拾いきってほしい。

本格的な暑さが続く日々
いよいよ夏が始まってしまって
すでに夏バテ気味の諸君、
エアコンなんていらないくらい
一気に冷え切るこの小説を
暑さ対策の一冊におすすめしよう。

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