こんにちは、小夏です。

晴れた日の水曜日。
まだ十分に明るいけど
もう今日が終わるまで6時間を切った。
大通り沿いの眺めの良い喫茶店で
みんな下ばかり向いてる。
真似して私も下をむいて
画面の中をくるくるまわって
上を向く直前、オレンジスパイニクラブを知った。

なにオレンジスパイニクラブってさ。
柑橘系の調味料か
はたまたどこかの小学校の
バスケットボールクラブみたいな名前。
この1回で覚えてもらう気ないかんじ
いいぞ、私は好きだぞ。

分かってることは
・略すとオレスパ
・スズキ兄弟とその幼馴染と元ファンの4人編成
・バンド名2回も変更しとる
・ドラムのゆりと脱退後再加入、、おかえり!
・アーティスト写真、みんな眠たそう
・全員無印良品の店員さんみたいで優しそう
とまぁこんな感じ。

リンスという曲を7回リピートしただけの
友達未満恋人未満の私だけど
率直な感想を描いてもいいかな。

前奏なくサビから始まる曲って
それだけでずるいよね。
なにかのつづきみたいに
いつのまにか始まって
でもスッと心にぴったりはまっていく
癖になるこの感じがきっと中毒性の正体。

ぬるい夏の帰り道のようなメロディーに
まろやかで力の抜けた歌声。
そのタッグから想像できない
ドキッとする歌詞に耳が離せなくなる。

恋愛能書き垂れた
腐れ縁が建前の横顔に
君は大股を開いて
慣れた顔で初めての春を知るのさ

このフレーズだけでもう
どこにでもある恋愛のソレじゃないってことだけはわかる。

少女は流行り廃りに敏感で
居場所づくりに焦る

大幅の平均台すらまともに歩けないまま
上手く泣けないまま
君は綺麗になった

個人的に
”君は綺麗になった”の前にある
少し長めの余白がお気に入り。

誰かに「どんな曲?」と聴かれたらなんて答えるだろう。

”誰にも言えない甘くて苦しい思春期の僕ら”

んん、なんか違うな。
もっとドロっとしていて
でも尊い感じなのに
上手な言葉で説明できないのが
この曲の魅力とでも言っておこうか。

これは完全に思い込みだと思うんだけど
どこか遠くにでも近くに
川谷絵音ぽいメロディラインを感じてしまう。

でもたぶん気のせいです。

まだ語り尽くすには触れた時間も知識も足りない、
だけど只者じゃないと確信出来る要素がある。

慣れた顔で初めての春を知る少女が
曲の終わり、不安な目で百度目の春を知る。


あぁ、うまいなって。
初めてのときが一番不安なんじゃない。
知りすぎて慣れてから押し寄せる不安。
恋愛でも仕事でも、きっとこれがリアル。

この言葉選びだけで私は
眠たそうな顔で奏でる彼らの
「もっともっと不安になるその時」まで
追いかけたくなってしまうのだ。