どうも、トム・ヒドルストンです。
今年はなんやかんやで結構映画を観ています。
昨今の情勢でやんわりと漂うエンタメに対する逆風感に反して、次々公開されている映画はむしろ豊作揃い。面白い映画どんどん出てきてる。凄い。みんなでどんどん好きなものにお金落としていこうな。
映画と言えば先日公開された『オアシス:ネブワース1996』も非常に良い映画だった。
し、同時に悔しいと感じてしまった。
超音速のバンド Oasis
本作はUKロックのレジェンドバンド『オアシス』のキュメンタリー映画。1990年代のマンチェスターでは『ブリットポップ』と呼ばれる音楽ムーブメントが流行し、その中心にいたのが『ブラー』と『オアシス』だった…とのこと。要は当時のイギリスをはじめオアシスがハチャメチャに国民的大人気アーティストだったってことです。
この映画では、ファンの証言と当時のライブ映像を交えながら、ネブワース(イギリスのカントリーハウス)で開催され伝説となったライブにフォーカスしています。なぜ伝説となっているのか。
2ndアルバム『モーニング・グローリー』 (1995年10月発表)と、3rdアルバム 『ビィ・ヒア・ナウ』(1997年8月発表)の合間というオアシスのキャリア絶頂期に開催された伝説的なライヴ。<”歌い手リアム・ギャラガー” のピーク> とのノエルの言葉通りリアムのヴォーカルも乗りに乗っており、セットリストも問答無用のヒット曲・超有名曲のオンパレード。間違いなくバンド・キャリア最高のライヴとして語り継がれている。1996年8月10日、11日の2日間に渡ってネブワースパークで25万人超を集めたバンド史上最大規模のこの野外ライヴは、当時のイギリス全人口の2%にも及ぶ250万人以上がチケットを申し込んだと言われている。全チケットが24時間以内に完売し、英国のあらゆる興行記録を瞬く間に更新した。
『ネブワース1996』商品説明より引用
とのこと。
全人口の2%!?!?
この時点で羨ましすぎて禿げそうだった。倍率が上がってチケットを取りづらくなるとはいえ、自分が好きなロックバンドのために全人口の2%が心血を注いでいるなんて。「音楽が好きです」と言っただけで白い目を向けられるうちの会社の人たちに見せてやりたいよ。
ライブ体験
映画自体がネブワースでのライブにまつわるドキュメンタリーという特性上、オアシスというバンドの概要を知るというよりは、伝説の一夜を追体験するという側面が強い。
「ボヘミアン・ラプソディ」で言うライヴ・エイド、ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序で言う「ヤシマ作戦」のようなクライマックスそのもののみを描写しているようなものだ。
そして、だからこそオアシスの楽曲の強度を再確認できる。映画館の音響設備で聞く大名曲たちの音源は鳥肌ものだし、本編中に挟まる当時ライブに参戦したファンのインタビューも実体験によるものだから非常に質感が高かった(ただライブ本編でもファンの声が重なるのは好みが分かれそうだと思った。個人的にはドキュメンタリーとして割り切っていたから特に気にならなかったが)。「ネブワースなんか聞いたこともないけどとにかくオアシスのライブに行く!」とチケット争奪戦に飛び込むファンや、「バッグにはチケットとビールしか入れてねぇよ!」と豪語するファンなどなどめちゃくちゃ面白かった。あと、ザ・ストーン・ローゼズのジョン・スクワイアがサポートゲストとして参加するChampagne Supernovaのギターソロは圧巻だった。
悔し〜〜!
と同時に悔しかった。
劇中の人々はとにかく活気があるように見えたんですよ。酒!ドラッグ!オアシス!死ぬ気でチケットを取って当落発表に一喜一憂して身一つでライブへ!なファンの姿を見ると、特に懐古厨でもない僕ですら、「羨まし〜〜!悔し〜〜!!」と感じてしまう。
時は過ぎ現在2021年。技術も文明も何もかも進歩しているはずなのに、ここ2年はろくにライブやフェスも開催できないようなご時世(仕方ないんだけどね…)。
これから先、あの時代のオアシスのような、国中が熱狂するような音楽が、爆発力と求心力に溢れたライブが、音楽と酒に酔いしれる世の中が、戻ってくるのだろうか…と要らぬ心配まで掘り起こされてしまう良い映画でした。
初のCD音源も付いた円盤が発売されるようなので気になる方はいかがでしょうか。
This is history! Right here! Right now!
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