いとです。
あなたはいま、最高に熱い漫画「ブルーロック」を知っていますか?
週刊少年マガジンにて連載中の大人気サッカー漫画で、単行本は2021年2月現在、12巻まで発売されています。
実を言うとこの漫画、一度読み始めたら”おわり”なんです。
自力で読むのをやめるのは無理なので。
気づいたときには最新12巻を読み終え、連載に追いつき、毎週、週マガの発売日である水曜日が待ちきれなくて手の震えや目まい等の禁断症状まで出てきます。
いざ水曜日を迎えたら迎えたらで、一週間分の楽しみが数分で読み終わることに絶望し、しまいには同じ話を細部まで読み込むことで次の週までの飢えをしのぐことになる始末。
いっそ数か月冬眠してまとめ読みしたい。ちょうど数ヶ月分の仕事はしたくないので…。
ここまでの末期患者になりたくなければ、ブルーロックには手を出さないことをおすすめします。
とは言ってみたもの、残念ながらここにたどり着いてしまった時点でそれはもう不可能なんですよね。
これから「ブルーロック」の魅力の一端をここで明かしてしまうので。つまり手遅れ。
ちなみに多少ネタバレになりうることも話しますが、問題はありません。
なぜなら10回以上読み返してもちゃんとめちゃめちゃ面白かったんで。
さあ、あなたも「ブルーロック」の沼へ。
《サッカー漫画らしからぬ「ブルーロック」の設定と展開》
──「世界一のエゴイストでなければ、世界一のストライカーにはなれない」
サッカー漫画なんて世の中に腐るほどある。
けれどそのほとんどの舞台は高校サッカーで、主人公の個の活躍とともにチームとしての活躍を描く。
そういう漫画ももちろん大好きなんですが、この漫画はちょっとそういう純粋なスポーツものではないんですよね。
「ブルーロック」は、サッカーという共通ルールの中で戦うサバイバル漫画なんです。
主人公含め、主要な登場人物は「点を取る」ポジションであるフォワードのみ。
日本をワールドカップ優勝へと導くためのプロジェクト「青い監獄(ブルーロック)」により、300人の高校生フォワードが一同に集められ、凌ぎを削り合う。
そして299人を蹴落とし、その屍の上に立つエゴイストこそ、日本サッカーをワールドカップ優勝へと導くたった1人の「英雄」、つまり世界一のストライカーとなる。
さあ、世界一のストライカーになるのはいったい…!?
と、サッカーがチームスポーツであることを否定するかのような挑戦的な内容と設定。
正直読み始めはこんなのサッカー漫画じゃないという否定的な気持ちもありました。
でも今は、これほど純粋に熱くなれるサッカー漫画は他にない。そう思っています。
その理由のひとつはやはり、この常識外れの設定を活かした展開の妙。
「脱落したらこの先一生日本代表としてプレーする権利を失う」というシステム上、ストライカーたちは常に人生をかけてサッカーをしているから、緊張感がすごい。
そして常に同じチームで戦うというわけではないというところが良い。
決められたチームで戦う一次セレクションを勝ち抜くと、任意で3人のチームを組める二次セレクションへと進む。
この二次セレクション「ライバルリー・バトル」のルールは、3vs3の勝ったチームが敵から1人仲間を奪えるというもの。
勝てば4vs4へと進み、5人仲間を集めたチームが勝ち抜けとなるが、一方で、仲間を奪われ続け1人となった者は脱落となる。
これの何が面白いって、「あの強敵だったアイツが急に仲間になる」という王道の胸熱展開と、「かつての仲間を蹴落とさなくてはならない」というサッカー漫画にあるまじき展開が共存するところ。
こんなわくわくすらサッカー漫画、他にない。
主人公の”相棒”ポジションが話が進むごとに変わったりするのも熱い。
《「ブルーロック」の魅力的なエゴイストたち》
先の二次セレクションの展開に胸が熱くなるのは、敵味方ともに魅力的なキャラクターで溢れかえっているからこそ。
誰と誰が組もうが、誰と誰が戦おうが、見逃せない展開となってしまう。
以下、主要キャラクターを紹介していきたい。
潔 世一
物語の主人公。全国には行けない。
他のキャラクターに比べて身体能力はそこまで高くないが、空間認識能力に優れ、「ゴールの匂い」がわかる。
突出した武器があるわけでもなく、決して天才とはいえない主人公ながら、物語が進むにつれ、劇的な成長をみせる。それもただ主人公補正で覚醒するわけではなくて、ちゃんと経験と理論に則りその学習の中で覚醒していくから、読者が置いてかれるようなことがまずない。
毎回の試練を成長とともに乗り越え、どんどん強くなっていくから、その成長を追うだけで応援したくなってくる。他のどのキャラよりも活躍が待ち遠しい。そんな主人公。
蜂楽 廻
自分の中の”かいぶつ”の声に耳をすませてプレーするという変わり者。
武器は柔軟な発想を活かしたテクニカルなドリブル。パス技術もあり、潔との相性も抜群。一番の相棒。
國神 錬介
サッカーでスーパーヒーローになるという夢を恥ずかしげもなく口にするまっすぐな男。
武器は強烈な左足のミドルシュート。
千切 豹馬
ガラスの右足を抱えるクールなわがままお嬢。
かつては将来を期待されるほどの選手だったが、右足の故障をきっかけに全力で走れなくなってしまう。
しかし「ブルーロック」で潔と出会い、影響され徐々にその殻を破っていく。
凪 誠士郎
サッカー歴半年にして潔のいたブルーロック伍号棟でトップに君臨していた天才。
驚異的なトラップ技術を武器に、異次元のプレーを見せる。台詞回しが天才にしか許されないそれで、全読者の中二心をたやすくくすぐる。
馬狼 照英
高い突破力と長距離射程のミドルシュートを武器に、圧倒的な個人技で王様(キング)の名をほしいままにする男。
周囲のことを見下し、潔のことも「へたくそ」呼ばわりだが、その実力は本物。
糸師 凛
世界有数の名門クラブチームの下部組織でその名を上げた天才MF糸師冴の弟にして、ブルーロックランキングNo.1の男。
サッカーのことを「殺し合い」扱いしてるかなりヤバい奴。
《「ブルーロック」の一枚絵のカッコよさ》
もうひとつこの漫画の魅力を伝えておくならば、やはり圧倒的な画力。
この漫画の肝となるゴールシーンの迫力がすごすぎて、何度も読み返したくほどには惹き込まれてしまう。
もしこの絵のままアニメ化なんて実現したら、と思うとぞっとする。
人気が爆発して書店から単行本が姿を消すような事態になる前に、ぜひ読んでみてください。
それでは。